カニ味噌の味わい方
カニをまるごと１杯食べたことがある方はご存知と思いますが、甲羅を外すと中に黄土色や濃緑色をしたペースト状のものが見えます。これがカニ味噌と呼ばれるものです。
脳みそのことかと思っている人もいるかもしれませんが、そうではなくて中腸線という消化と栄養素の貯蔵に役立つ組織になります。ちょうど脊椎動物の肝臓と膵臓の機能をあわせもつ器官です。見た目がお味噌に似ていることから、このような名前がつけられたと言われています。
レバーをまったりと柔らかくしたような食感で、ちょっとクセがある味ですので、好き嫌いが別れるかと思いますが、好きな人には絶品の味です。
カニ味噌には脂肪の燃焼を助けるグリコーゲンが豊富に含まれていて、栄養価も非常に高いものです。
カニ味噌は、そのままでもいただくことができるので、ご飯に乗せて食べたり、珍味としてお酒のつまみにしても美味しいです。お寿司で軍艦巻きにして食べるのもおすすめです。
カニ味噌が一番美味しい時期は？
カニの中腸腺の脂質は、卵巣の成熟前に最大となり、卵巣が完熟期に達したときには減少していることがわかっています。このことから、カニ味噌が最も美味しく味わえるのは、卵巣の成熟前になります。
反対に、脱皮をするときは中腸腺に貯えられた脂質を大量に消費しますので、脱皮した後は中腸腺が痩せてしまいます。
このことから、かに味噌の一番の食べ頃は脱皮前で、脱皮後だとカニ味噌の量が少なくなりオススメできません。
毛ガニのカニ味噌が最高！
タラバガニや花咲ガニのカニ味噌は、食べられないわけではありませんが、加熱しても固まらず、味も良くないのであまり食用とされません。
美味しいカニ味噌が味わえるのは、ズワイガニ、毛ガニなどの品種のものです。
中でもカニ味噌が最も美味しいのは、すばり「毛ガニ」です。
毛ガニの甲羅を取り外すと、カニ味噌の多さにびっくりすると思います。身もぎっしり詰まっている上に、カニ味噌もたっぷり入っています。
カニ味噌の独特のクセがあまり好きになれなかった人でも、毛ガニのカニ味噌ならクセが少なく、とってもクリーミーで美味しくいただくことができると思います
毛ガニを丸々１杯食べるときは、カニ味噌が外に流れ出してしまわないように注意して、甲羅をお尻からゆっくり持ち上げて外しましょう。その後は、カニ味噌をそっとスプーンですくって甲羅に入れておけばOKです。
毛ガニの身とカニ味噌を甲羅の中で、混ぜ合わせてコンロで甲羅ごと炙ると、とっても美味しいですよ！
その他には、ご飯に乗せたり、雑炊として食べるのもお勧めです。
